夏の水泳教室。
塩素と肌の匂い。
太陽とコンクリートと
じめじめした土の匂い。
ビーチサンダルが足からずれる。
足の甲の面がプラスティックで
そこに貼られたシールの端がはがれているのを見つけると
慎重につまみ上げ、シールを綺麗にはがす。
その下に、貼られていたシールに描かれたイラストが
薄く残っているのだった。
蝉がうるさい。
水泳教室が始まる前に、プールの脇に並んで立っていた。
目に入ったのは大きな木。メタセコイア。
手の届くところにある葉を何気なしに取る。
木肌をむしるよりも楽しいのは
魚の骨のようにびっしり並んだ細長い葉を順番に
ちぎっていくこと。
好き。嫌い。好き。嫌い、っていうあれだ。
とても恥ずかしくて
好きな人を思いながらはできなかったが。
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