ベルギー、ギリシャ、トルコ、そしてイタリア。

アジアからヨーロッパ。
イスタンブルで出会ったバックパッカーたち、
それもアジアからヨーロッパに向かう人たちは盛んに、
「トルコは(物価が)高い!」と言う。
ヨーロッパからトルコ入りした私たちは、安くていいなぁと思ったが。

再びヨーロッパに戻った時、ガッカリしたのは物価の違いだけでは
なかった。

人間同士の接触濃度の違いに、寂しさを感じた。
ヨーロッパだって、日本よりは、知らない人にも言葉をかけてくるし、
長期滞在したら、顔見知りも増えるだろう。
しかし、違う。
コミュニケーションの表面温度の違い?いい人だろうが悪い人だろうが、
トルコに関していえば、イタリアよりも、相手の人物像がつかみやすい。
得体が知れるというか。
わかりやすい。
イタリアでは、トルコよりずっと、人物像が捉えにくい。
日本はもちろん、それ以上。
その人がありたいと思うイメージに覆われて、もしくは、巧妙に隠されて。
周りの人を気にせずにはいられない社会によって、
その人の周りから押し付けられた衣装をまとっている場合もある。
基本的に、人に好かれることが大事だと思う人が多いか、
周りがどう思おうと気にならない人が多いか、という違いなのだろうか?


隠された中身が悲惨というよりは、もともと中身が見えているほうが、
確かに付き合いやすいし、こちらも正直になれるような気がする。

人間らしくて、いいな、とも思う。
けれども人は、見えない神秘にも惹かれるし、ある人の違う面にも驚かされる。
ぐるぐる巻きの世界でも、開けっぴろげの世界でも、
それなりの付き合い方や礼儀がある。

旅行者の視点っていうのは、分かったようで、ほんの少ししか分かっていないもんだ。
知れば知るほど、好きになるか、嫌いになるか。
いずれにしろ、大差ないのかもしれない。
ただ単に、自分にない、自分の周囲にないものへの憧れ。
そういうものに喜んではしゃいでいるだけなら、旅とは言えないという人もいるだろう。
けれども、喜ぶってことは大事なこと。リフレッシュ、気分が高揚するだけでも、自分の栄養となる。
苦労したり、色々なことを知る上で、少しでも自分を知る、自国のことを知る。
世界のことを知る。哲学的なことを考える。
そういう旅をする人もたくさんいる。
旅の深さは求めるその人次第だ。

どんな旅でも、近くでも遠くでも、しないよりはしたほうがいいような気がする。
理由はただただ、楽しいから。気持ちいいから。
時には災難もあるだろうけれど、どこかに行きたいと憧れている人に、
お金がなくて、なかなか行かれない人に、
私は無責任にも、旅に出るよう、煽る。
出るのは簡単。
問題は、旅の後。
それもやっぱり、その人次第。
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旅の終わり。

早朝、重く感じられる荷物を持って小さな空港へ向かった。
フライト時刻が迫っているというのに、門さえ開いていない。
周りはまだ真っ暗。
あぁ、もう、時間じゃん!!と思って不安になっていると、
周りにも、荷物をガラゴロ引いた人が、ぽつりぽつりとやってきた。
ぎりぎりで門が開いて、とても飛行機に乗るところとは思えない
小さな、しかし、きちんと整備された空港に入れた。
物凄い勢いで、搭乗手続きが行われ(検査、大丈夫か?と思うほど、いい加減)、
いつの間にかに集まった乗客の列に並ぶ。

小さな旅客機で、再びブリュッセルに到着。
免税店で、チョコレートを、お土産用と、自分用に買う。
がらすきの化粧品コーナーを眺めているうちに、搭乗時刻となった。
は~。
ま、帰りのフライトを楽しむことにしよう・・・・。

最悪な気分になるのは、成田の入国審査を通り過ぎて、
リムジンバスを目にしたときだ。
ローカルに電車で上野まで出て、JRで新宿・・・と、乗り継いでいく場合でも
同じ。
排気と車の臭い、湿気に埃を抱えた空気、灰色のコンクリートの壁。
うんざりする。


静電気に埃を吸着させた街。湿気と悪臭の真ん中に伸びる高層ビル。
そこが、自分の住む街。
それにしても、美しさがなさ過ぎる・・・。
新しいショップや観光スポットとなるような場所も、日々、排気で薄汚れて、
埃のあとがついたプラスティック容器のようになる。

使い込んだ革の傷ではなく、表面にはりついた汚れ。
表面重視の街。
人が集まるのも表面次第。
丁寧さよりも速さ。

やっぱり、違うかも、と思うのは、
逃げ回りたいという、怠慢さからだけではないのかもしれない。

勿体無いフィレンツェ。

二度目のフィレンツェ。
ローマ同様、T子に「ここだけは」ってところを案内する。
教科書で見た絵の実物を見るってのは、結構嬉しいもんだ。
宿も、大したところではないが、寝るだけならどうってことない、
特徴もなければ、不快感もない部屋を見つけた。
フロントの男の人が、しきりにサッカーの話をしてくる。

この街から、成田へ向かうことになっていたので、
少し買い物でもすることにした。
イタリアでは、革製品、特に靴がなかなかよくて、しかも安い。
あちこち覗いてみる。
セールをしていた日本でもある店で、濃い緑のニットと、黒いパンツを買った。
あと、ウッドソールで、足の甲を皮で包むサンダルを一足。

三日間その街で待たなくてはならないので、少々退屈して、
通りにある売店で、雑誌を買う。
観光名所から少しはなれたところに、セルフサービスの食堂を見つけた。
トレーを持って、好きなものの皿をとったり、盛ったりする方式。
内装は、学生食堂か社内食堂といった感じ。デザートやワインもある。
三種類たっぷり食べても、千円くらいだった。
(しかし、どれも、ぴんとこない、だれた味・・・。)

街の外へ出て、周りの住宅の様子(壁の模様やドアのデザイン)を見て歩いたり、
地元の人の様子やバイク、車などを見たり。
殆ど、川岸で、ぼけーっと過ごしていた。
今更、そこから遠出する気にもなれず、
だいぶ疲れていたので、ぼーっと川面を見つめながら、これまでの旅の話をしたり、
ヴェッキオ橋や向かいの建物を何となく視界に入れておくだけで、十分だった。

成田か。
旅の帰りのフライトは、行きよりもあっという間という気がする。
ほんと、あっという間に現実社会に引き戻される。
自分で戻るというより、フライトが決まっているから、という理由で、
無理矢理帰らせられるような気分。
そこで、計画を変えて、旅を続行したことはない。
やっぱり、他にやらなくてはならないことが日本にあるとしたら、
旅はひとまず終了しなくてはならないので、必要な旅の終わりだとは思う。

でも、今にして、若い時だからこそ、もっと計画に縛られず(しかも自分が作った計画)、
ほんとに滅茶苦茶に、思うままに、やりたいだけやってみたら、
どうなるか、見てみたかったなぁとも思う。

それで懲りたり、自分のある一つの限界を知って、
後の人生に活かすことが出来たかもしれない・・・。


少し離れて見るのがいい!サン・ジミニャーノ

前の晩は、シエナの家庭的なホテルに泊まり、ゆっくり休んだ。
朝、バスに乗り、約一時間で塔の街、サン・ジミニャーノに到着。
空は美しく晴れて、塔の街は、ガイドブックのグラビア写真のよう。

それにしても、ここはまた、予想に反して、
小さな町であった。

町の手前で、バスの車窓から見ると、ガイドブックどおり、
「塔の街!」という感じがするのだが、
街に入ってみると、すぐに一周出来てしまう。
大聖堂(小さい)と拷問博物館をちょっと覗き、
少しうろうろ。
午前中のせいか、観光客も少ない。

平たい円柱形のお菓子のようなものを、ショーウインドウ越しに発見。
ドライフルーツとナッツを蜂蜜で固めたようなものであった。
T子と半分ずつ分けた。
スパイスの香りが強く、とても甘い。(けれども、後引く。)
ほんの少しだけ食べた。

少し早いけれど、次へ行こうかと思い、バス乗り場へ向かった。
古い建物の壁の横に、曲がった木や、キスチョコみたいに刈られた木。
そよ風が気持ちいい・・・。
バスはなかなか来ないけれど、油断は禁物。
逃したら、また、待ち時間が長いからね。

貝殻広場でのんびり~。シエナ。

アッシジからバスで約二時間。
トルコで知り合ったライターさんが
「イタリアへ行くなら、シエナに行くといいよ」
と、言っていたので、よってみた。

バスを降りて、街の中心まで歩く。
思っていたより、広い。街の雰囲気は、アッシジとは違うけれど、
とてもくつろげる。
本当に貝殻状のカンポ広場のあちらこちらに人が座っている。
貝殻状というのは、立体的にもすり鉢状で、傾いている。
三つの丘のぶつかる地点だそうだ。
座っていると、奇妙な力に引っ張られて、転げ落ちそうになる・・・。
上下差が3mもあるから仕方ないか。。。。

街の小道を散策したり、建物の中に入り、塔の中を登ったり・・・。
何も心配も堅苦しさもなく動ける街だ。
黒白、縞模様の大聖堂の裏側で、座って休憩。
トスカーナの緑に囲まれた中世都市は、
人が住んでいて、お店もあっても、
何だか、現実の街、という感じがしない。
観光地、世界遺産として守っている為だろうか。

アッシジ、シエナ、そして、これから向かうサン・ジミニャーノ。
少々離れてはいるが、どこも、世界中から人が集まる美しい歴史的な街。
あ、日本でいえば、京都!?

イタリアの田舎?廻り~超いい加減な旅。アッシジ。

早朝のテルミニ駅から列車に乗り、バスに乗り換え
向かった街は、アッシジ。
ローマから約175キロ北上したところにある。
以前に、テレビのドキュメンタリーで見て、一度は行って見たいと思っていた。

アッシジについての詳しいサイトがたくさんあるので、
ここでは、思ったことだけ書く(苦笑)。

地平線も田園風景と思われる、のどかな風景を
少々眠気に襲われながら、ぼんやり見ていると、
目の前に、裾が広く、あまり高くない山が現れた。
ただ、周りに何もないので、大きくみえる・・・。
バスはぐんぐん、山を登っていく。
あ、やっぱり、大きいや(笑)。

中腹にあるのが、アッシジの町である。
とても小さな町なので、隅からすぐ、反対の端っこに出る。
建物の建材が統一されているせいか、堅実な雰囲気がある。
細い道が、建物の間を縫っていて、陰が多く、涼しい。
日の光も、それと対照的に、輝くほど白く眩しい。

もっと、田舎町を想像していたが、さすが、有名な巡礼地、
きちんと整えられた観光地だった。
イタリアの田舎~!と思うには、綺麗過ぎるのだが、
やはり、来てよかった・・・と思った。


観光スポットを見学し、街をぶらぶら歩いた後、
街を取り囲む塀に腰掛けて、視界に広がる、ふもとの景色と、
観光客の列を見ながら、時間を過ごした。
頭は空っぽ。神様のことを考えるのには持ってこい!?
修道院があるのはその為か?

夕方、ガイドブックに出ていた安宿(宿自体多くはない。)に泊まり、
翌朝再びバスに乗って、次の目的地へ・・・!

5年前は好きだったのに。ローマ。

翌朝、起きてすぐに、観光散歩開始!
自分は、前に観光スポットを見ているので、
今日は、T子にざっと、「ここだけは」というところに
案内!?することにした。
まずは、コロッセオを目指して、歩く。

朝のローマ。太陽がすでにけだるい。
人も車も、まだそれほど走っていなかったので、
目的地を目指して、心も体も、すいすい進んでいける。
石畳の上を、早足で歩く。
それにしても、相変わらずの路上駐車の列・・・・

ツアーで見たときは、平面にバーン、と見上げるような
コロッセオだったが、今回は、反対方向から来たせいか、
どんどん下って行ったところに登場した。
前に来たときよりも、小さく感じたが、それでも、
この類の遺跡の中では、だんとつ、印象の強い建物のひとつだ。

フォロロマーノをざっと見て、
次に目指すはヴァチカン市国。
しばし歩いて、やっと、テヴェレ川についた。
橋の袂で、しばし休憩。
パリでよく食べた、ユダヤ風というか、ギリシャ風というか
アラブ風?のピタサンドを買った。


川を渡れば、ヴァチカンはすぐそこ。
比較的すいていた。
一通り見学し、
(何度も言うようだが、そういう情報は、よそで、とっても親切に
書かれているので、ここでは省略・・・。)
引き返すことにする。
今度は、スペイン広場の周り
ショッピング客が、ブランド品の紙袋をさげているところ。)や、
ナヴォナ広場を通って行った。
それにしても、埃っぽい。

排気で汚れた空気。
直線の網目状の道路。
久しぶりに、たくさんの人の流れの中を歩いたような気がした。
トルコでも、混雑したところはたくさん通ったが、
足の動きだけでなく、心の動きが、ここではずっと早い。

それでも、他のヨーロッパの国のうちでは、
あくせくしていないほうなのかもしれないが、
人にしろ、街にしろ、知ろうにも隙がない。

自分の住む東京よりも、歩いているだけで、目に入る美しいものや、
心安らぐ濃い緑があり、気分の落ち着く古い建物もたくさんある。
それでも、ヴェスパの風防についたたくさんの小虫の死骸のように、
ここでもやはり、人として大事にしたいある部分が、
ぺしゃんこにされても、気にもされないのかなぁ、と、思った。
以前は好きだったのにな、ローマ。

宿がなかなかみつからない・・・ローマの夕方

気付くとそこは、スペイン広場の階段の上であった。
この階段ほど、下から上を見上げてから登るべき階段は
他にあるかなぁ?と思う。
突然、上から下を眺めると、スペイン階段という気がしない。
思った以上に高さがある。
え?ほんとにスペイン階段?
何か、前に見たときと、随分違うなぁ~と思いつつ、降りていった。
夕暮れ前。のんびりと腰かけている人々の間をぬけて。

早く、泊まるところを見つけなきゃ!
と思いつつも、ついでにトレヴィの泉を見に行った。
ヨーロッパ初めてのT子の為に、以前に行った観光スポットも、
予定に入れなくては!と思っていたのだが、
T子にとっては、大して、重要ではないようだった。
それがまた、T子と私がうまくやっていける理由の一つ。
つまり、重要だ!と思うことがぶつからないのである。

あちこち、宿をあたってみるのにも疲れてきた。
再び、テルミニ駅方面へと向かう途中、
視線を感じた。
いかにも怪しげな、痩せた男(東欧系?)が、少し離れてつけてきている。
まだ、至近距離ではないが、道の反対側へ渡った。
明らかにこちらを見ていたが、私たちが彼の存在に気付いたせいか、
どこかへ消えた。
何か、気持ち悪いなぁ。

細かい道をくまなく歩く。
寂れた道を少し入ったところにホテルの字が見えた。
その道沿いには、やはり暗いバールが一軒あり、そのほかに
看板のかかっている店も、ポツポツある程度。
後は住居のようである。

あそこはいけそう・・・!
尋ね疲れていたが、直感的に大丈夫そうだと感じたので、
行ってみると、部屋もあり、宿泊料も予算以内であった。
暗い扉の中の階段を上がったところに受付があり、
建物の静かな外観とうって変わって、中の様子は
騒々しい。
丁度、宿泊客が出入りしている時間のよう。

通された部屋は、暗いが、広い部屋で、
殺風景ではあるが、清潔だった。
重くないはずなのに、ずっと肩にかけていたバッグが、
これ以上持っていられない、と思うほど、重く感じられていた。


やっと、下ろせる。

共用の浴室に、T子と交代で行く。
肩に、バッグの肩紐のあとがついて、青痣となっていた。
さっぱりして落ち着いたせいか、二人とも
あっという間に寝入った。

トルコぼけしてたら危ない!?ローマに到着

イスタンブルから未練タラタラ引きずって、向かった先は、ローマ。
そう、悪評高き、ローマである。
高校生の頃、ツアーで訪れた時は、他のイタリアの主要都市、
ミラノ、フィレンツェ、ベニスなどに較べて、気取りがなく、
買い物などもしやすいこともあって、気に入っていた。
もっと、ゆっくり見たいなぁ、と思い、この度また、
選んだのであった。

ガイドブックどおり、列車で市内を目指したが、
ヨーロッパ独特の暗さのある(貧乏臭さというか。
ホームと車内の雰囲気のせいか、約30分の乗車時間が、
それ以上に長く感じられた。

テルミニ駅に到着。
・・・来た来た(苦笑)。
いかにも嘘っぽい、名札をつけた男、そして女が、
待ってましたとばかりに、私たちの近くへ来て、
「ホテルは決まっていますか?」などなど
話しかけてきた。

勿論、決まっていない。けれども、
「決まってる」と答える。すると、
「どこに?」と聞いてきたので、適当に、高級ホテルの名を
言うと、あぁ、という感じであきらめて去った。
そこで、決まってないとか、大したことのないホテルの名を言うと、
しつこく「いいホテル」を紹介されることになる。
本当にいいホテルなら、そんな奴は必要ない。
高級ホテルの名を挙げても、
「あそこは高いですよ、私、いいホテルを教えますよ。」
と、つなげられる場合もあるかも(苦笑)。
自分の立場(偽の)を説明してから始める奴もいれば、
いきなり、ホテルの名を書いたメモをよこしてくるのもいた。
駅がすいている時間帯だったのか、そういう怪しい奴も少なければ、
ジプシーにも会わなかった。

駅を出て、取り合えず、観光スポットを目指す。
翌日、効率よく、朝から観光をするために、
なるべく動きやすい場所で、もちろん破格の宿に泊まりたい。
しかし、何だかその日は思うようにホテルが見つからない。
午後中歩き回っても、空きのある安宿にあたらない。
段々、荷物が重く感じられてくる。
プロフィール

しゅま子

  • Author:しゅま子
  • 33歳から、3人の子供のひとり親となり、40歳越え、現在44歳。40で、いろいろ考えるし、身体も変わると聞いていましたが、ほんとに変わってびっくり。成人の2回目のよう!
    と驚きつつ進みだした40代。文字通り、中年!40代だからこその迷い、多々あり・・・
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