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もし彼と出会っていなかったら①

あの夜彼と出会っていなかったら。

あの夜あそこに行ったのは何でだったのだろう。
大みそか、新宿をぶらついていた友人と自分は、何度か自分が遊びに行っていた歌舞伎町のクラブへ行った。
他に行くところが思いつかなかったからだ。
暖かな大みそかだった。
エレベーターを降りて、フロアに向かう。
そこそこ混んでいて、友人と自分はすぐにはぐれた。
はぐれたというのだろうか。
友人はどこで何して誰と話していたのかわからない。
自分の前には、背の高い、素晴らしい笑顔の男が白い光を後ろから浴びて、こちらに笑いかけていた。
彼の連れは、日本人の小柄な彼女を連れていたが、笑顔の口の大きな彼は、一人で揺れていた。
お互いに名前を聞きあった。
相手の名前を聞いて、なんだそれって思って聞き返した。
会話はそれだけだった。

しかしカウントダウンで年明けた瞬間、二人は抱き合って、キスしてた。
何時間踊っていたか。
汗が出る。
顔の汗を、彼が出したハンカチで拭ってくれた。
いいにおいがする。

時間が過ぎて、一緒に来ていた友人が、自分と長身の彼に目をやってから、先に帰るねと帰って行った。
目で、
よかったね、と言ってる。

その少し後、自分も帰ることにした。
店の外で見送ってくれた彼は、クラブの中で見るよりも、若く、小さく見えた。
にっこりと大きく笑って、大きな手のひらをひらひらさせて。

私の手には、彼がくれたハンカチ。

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